「考えても答えが出ないのに、また考えてしまう…」「また同じことを、何度も頭の中でシミュレーションしてる…」一度考え出すと、ネガティブな想像が止まらなくなったり、最悪のシナリオばかり浮かんでしまったり…。でも、これはあなたの「性格の問題」ではありません。実は、こういったぐるぐる思考にハマるのは、「思考の癖」が原因なんです。なので、思考の使い方を変えれば、ぐるぐる思考のループから抜け出すことができます。この記事では、ぐるぐる思考を引き起こす思考パターンと、それを変える柔軟な思考法「アズ・イフ・フレーム」について解説します。ぐるぐる思考にハマりやすい人の「思考の使い方」|思考の癖がもたらす影響「なぜ、私はこんなに考えすぎてしまうんだろう…」「頭ではわかってるのに、気づけばまた同じことで悩んでいる…」こんな経験、ありませんか?実は、それはあなたの「思考の使い方」が関係しているのかもしれません。私たちは無意識のうちに、ある特定の思考パターンを繰り返していることが多いんです。これを 、「思考の癖」といいます。たとえば、こんな考え方のパターン。「どうせ私には無理…」と決めつけてしまう→ まだやってもいないのに、「私なんかができるわけない」と最初から諦めてしまう。過去の失敗を思い出して、またダメかも…と不安になる→ 「前も上手くいかなかったし、また同じ結果になるんじゃないか…」と不安が先行する。最悪のシナリオばかりシミュレーションしてしまう→ 「もし失敗したらどうしよう…」「こんなこと言って変に思われたら?」とマイナスの想像ばかりしてしまう。他人の視線を気にしすぎて行動できない→ 「こんなことしたら、どう思われるだろう?」と人の反応が気になって、なかなか動けない。このような思考の癖があると、本当はできることも「できない」と思い込んでしまい、行動する前にストップがかかってしまいます。私たちの思考には、意識的に使っているものと、無意識のうちに繰り返しているものがあります。特に、ぐるぐる思考が止まらない人は、実は「無意識の思考パターン」にハマっていることが多いんです。その代表的なパターンが、次の4つ。1.過去ばかり振り返る「後悔思考」「なんであんなことを言っちゃったんだろう…」「もし、あの時違う選択をしていたら…」過去の出来事を繰り返し思い出し、後悔や自己否定のループにハマる。でも、どれだけ考えても過去は変えられない。なのに、思考のエネルギーを過去に使いすぎてしまう。過去の失敗から学ぶことは大切ですが、そこに留まり続けると前に進めなくなってしまいます。2.未来を悲観する「最悪シミュレーション思考」「もし失敗したらどうしよう…」「これを言ったら、相手に嫌われるかも…」未来に対して、最悪のシナリオを想像し、その結果を恐れて動けなくなる。でも、現実にはまだ何も起こっていない。なのに、頭の中でネガティブな未来を信じてしまう。危機管理としてリスクを考えるのはいいこと。でも、思考がネガティブな未来を「確定事項」のように扱ってしまうと、身動きが取れなくなります。3.「どうせ無理」と決めつける「固定思考」「私には向いてないから、やるだけムダだ」「頑張っても結局ダメなんだから、やらない方がいい」過去の経験や思い込みから、できない理由ばかりを探してしまう。でも、まだそれは一度もやったことがない。なのに、挑戦する前に「どうせ無理」と自分で可能性を閉じてしまう。本当に無理なのでしょうか?それとも、「無理だと思い込んでいるだけ」なのでしょうか?4.他人の視線を気にしすぎる「評価思考」「これを言ったら、変に思われるかな…」「こんなことをしたら、バカにされるかも…」自分の考えや行動が、他人からどう見られるかを気にしすぎてしまう。でも、誰かに直接聞いてみるわけでもない。なのに、「やりたいこと」より「周りの評価」を優先し、本当の自分を押し殺してしまう。他人の目を気にしているのは、自分の頭の中だけ。相手は意外と気にしていないことが多いもの。「思考の癖」=無意識のパターンこうした思考の使い方は、ほとんどが無意識のうちにやっていること。そして、何度も繰り返すことで「思考の癖」となり、パターン化してしまいます。でも、もしこの思考の癖が「自分を苦しめるもの」になっていたら?変えた方が、人生はずっと楽になるはずです。ぐるぐる思考を抜け出せない原因|「悩みすぎて疲れた…」となるまで考えてしまう理由「考えすぎてしまうのは性格の問題?」そう思うかもしれません。でも、これはあなたの性格の問題ではありません。単に、思考の使い方の癖がついてしまっているだけなんです。実は、ぐるぐる思考が止まらないのには、脳の仕組みや過去の経験が深く関係しています。1.脳の仕組み|ネガティブにフォーカスしやすい人間の脳は、ポジティブなことより、ネガティブなことに強く反応するようにできています。これは、私たちが生き延びるために進化の過程で身につけた「危険回避」の仕組みです。例えば…「成功するかも」より「失敗したらどうしよう」が先に浮かぶポジティブなフィードバックより、ネガティブな評価が記憶に残りやすい未来の可能性より、過去の失敗を繰り返し思い出してしまうつまり、ぐるぐる思考してしまうのは、ある意味「脳の正常な働き」でもあるんです。でも、この仕組みを理解していないと、ネガティブな思考のループにハマり続けてしまうことに…。あわせて読みたい心理学で解明するRASの意味と機能|潜在意識を使った引き寄せの仕組み2.過去の経験や環境による思考のクセぐるぐる思考が生まれる原因のひとつに、過去の経験や育ってきた環境があります。 例えば…「失敗しちゃダメ」と厳しく育てられた→ 失敗を極端に恐れる思考の癖「もっと慎重に考えなさい」と言われ続けた→ 行動する前にぐるぐる思考が発動する過去に大きな失敗をしてしまった→ 「また同じことが起きるかも…」と不安が強くなるこうした過去の経験が、「考えないと危ない」「慎重にならなきゃ」という無意識の思考習慣を作ってしまうんです。あわせて読みたい可能性を広げるビリーフの力|あなたの未来を変える鍵3.反芻思考(ぐるぐる思考)を"正しいこと"だと思い込んでいる「考えすぎてしまうのをやめたい」そう思いながらも、なぜかぐるぐる考えることをやめられない…もしかすると、あなたの中で「考え続けることが正しい」「ちゃんと考えないといけない」という思い込みがあるのかもしれません。実は、ぐるぐる思考をやめられない人の多くは、「考えすぎること」に対して、何らかの“メリット”を感じているのです。①「しっかり考えることが大事」と思っている「ちゃんと考えないと、いい選択ができない」「考えが足りなかったから、失敗したんだ」こうした価値観を持っていると、「考え続けることが正解」と思い込んでしまいます。でも実際には、考えれば考えるほど、選択肢が増えるわけではありません。むしろ、ぐるぐる思考にとらわれると、選択肢が見えなくなり、決断できなくなることの方が多いんです。本当は、「考え続けることが正しい」のではなく、「考える方向を変えることが大事」なんです。②「不安を解消するために考えないといけない」と思っている人は、不安を感じると「なんとかして解決策を見つけたい」と思います。そのため、考え続けることで不安をコントロールしようとするんです。でも実際には…考えれば考えるほど、不安が強くなる「もっと考えないと…」と思い、さらに深みにハマる不安をなくすどころか、余計に気になってしまうつまり、ぐるぐる考えることで「不安をコントロールできている気がするだけ」なんです。本当に不安を減らすには、考えることではなく「思考の枠を広げること」が必要です。③「考え抜けば、完璧な答えが見つかる」と思っているぐるぐる思考をする人ほど、「もっと考えれば、ベストな答えが見つかるはず」と思っていることが多いです。「もっと考えれば、間違えずにすむ」「100%完璧な答えを出さないといけない」「考えた結果、納得できる結論を出さなければならない」でも、実際には、どれだけ考えても「100%完璧な答え」は存在しません。「最善の答え」は、考えることでなく、行動を伴うことで見えてきます。④「考えることをやめたら、無責任になってしまう」と思っている「しっかり考えないと、適当な人間になってしまうんじゃないか?」「もっと真剣に考えなければ、後悔するんじゃないか?」こんな思い込みを持っている人も多いです。でも、考え続けることと、責任感を持つことは別の話。ぐるぐる思考は、単に思考のエネルギーを消耗するだけで、良い決断につながるわけではありません。「しっかり考えること」と「思考のループにハマること」は違うんです。ぐるぐる思考=思考の使い方の癖「悩みすぎて疲れた…」と、ぐるぐる思考にハマってしまう人の多くは、「考え続けることが正解」「考えれば不安がなくなる」「もっと考えれば完璧な答えが見つかる」「考えをやめたら無責任になる」こんな思い込みを、無意識に持っています。でも、実際には考え続けることが「正しい」のではなく、「思考の使い方の癖」になっているだけ。思考の癖を変えれば、ぐるぐる思考からも抜け出すことができます。では、どうすれば、思考の癖を変えることができるのでしょうか?そこで役立つのが、「アズ・イフ・フレーム」です。思考の癖を変える方法|「アズ・イフ・フレーム」とは?ぐるぐる思考から抜け出すためには、「思考の枠」を広げることが大事。でも、長年染みついた思考の癖は、なかなか変えられないもの。そこで使えるのが 、「アズ・イフ・フレーム(As If Frame)」です。アズ・イフ・フレームとは?|思考の枠を広げるフレームワークアズ・イフ・フレームとは、NLP(神経言語プログラミング)の思考テクニックのひとつ。「もし〇〇だったら?」と仮定して考えることで、新しい視点を得る方法です。人間の脳は、現実と想像を区別するのが苦手。だからこそ、「もし〇〇だったら?」と考えるだけで、まるでそれが現実のように感じられ、思考の枠が広がるのです。「もし、もうこの問題が解決していたとしたら?」「もし、成功することが確定していたら、どう行動する?」「もし、今の自分が過去の自分にアドバイスするなら?」このように「もしも」を使うことで、ぐるぐる思考にハマらずに、思考の方向性を変えられるんです。ぐるぐる思考からの抜け出し方|アズ・イフ・フレームの使い方3パターンアズ・イフ・フレームには、大きく分けて3つの使い方があります。この3つを、思考のフレームワークとして取り入れることで、頭の中で建設的なシミュレーションをすることができ、柔軟な思考を手に入れられます。1.時間軸のフレーム|未来の自分から考える時間軸をずらして考えることで、今の視点とは違う角度から物事を見られる方法です。質問例「もし、1年後の自分が今の自分にアドバイスするとしたら?」「もし、5年後の自分がこの決断を振り返るとしたら?」「もし、未来の自分が『あの時こうしておけばよかった』と言うとしたら、それは何?」ポイント未来の自分の視点を取り入れることで、今の悩みを客観的に見られる。あわせて読みたい人生目標の立て方|タイムラインで未来を設定する具体的な方法2.知覚位置のフレーム|別の視点を持つことで柔軟な思考を得る「自分以外の立場から考える」ことで、視野を広げる方法です。質問例「もし、親友が同じ悩みを抱えていたら、自分はなんてアドバイスする?」「もし、憧れの人だったら、どんな決断をする?」「もし、全く関係のない第三者がこの状況を見たら、どう思う?」ポイント「自分」というフィルターを外すことで、ぐるぐる思考のループから抜け出しやすくなる。あわせて読みたい常に冷静でいる方法|メタ思考を鍛えるトレーニングで判断力を高める3.ニューロ・ロジカル・レベルのフレーム|深いレベルで変化を促すこれは、NLPの「ニューロ・ロジカル・レベル」という概念を使った方法。人間の意識を、「環境」「行動」「能力」「信念・価値観」「アイデンティティ」「スピリチュアル」という6つのレベルに分けて考えます。質問例「もし、自分の価値観が変わったら、どうなる?」(価値観レベル)「もし、新しいスキルを身につけたら、どんな自分になれる?」(能力レベル)「もし、今とは違う環境にいたら、どんな選択をする?」(環境レベル)ポイント「行動」だけではなく、「自分の在り方」などにアプローチすることで、思考の根本から変えられる。思考の使い方が変われば、行動が変わる「思考の仕方の癖」を変えることで、自然と行動の選択肢も増えていきます。例えば…ぐるぐる思考が減り、気持ちが軽くなる「どうせ無理」ではなく、「どうしたらできるか?」と考えられるようになる新しい視点を取り入れることで、解決策が見つかるこのように、アズ・イフ・フレームを使うと、「新しい視点」が加わることで、ぐるぐる思考から抜け出すことができ、前に進みやすくなるんです。あわせて読みたい人生の万能ツール|ニューロ・ロジカル・レベルとは?まとめ「考えすぎて疲れる…」と感じることは、決してあなたの性格の問題ではありません。ぐるぐる思考は、「思考の使い方の癖」であり、無意識に繰り返しているだけなんです。でも、思考の癖は、意識的に変えていくことができるもの。そのための第一歩として、「アズ・イフ・フレーム」を活用してみましょう。ぐるぐる思考は「無意識の思考の癖」が原因→ 「後悔思考」「最悪シミュレーション思考」などのパターンに気づくことが大事。考えすぎをやめられないのは「思い込み」のせい→ 「考え続けることが正しい」「もっと考えれば完璧な答えが出る」などの思い込みが、ぐるぐる思考を強化している。ぐるぐる思考を止めるには「思考の枠を広げる」ことが大切→ 「もし〇〇だったら?」と仮定するだけで、新しい視点が生まれる。「アズ・イフ・フレーム」を使えば、思考の癖を変えられる!→ 「時間軸」「知覚位置」「ニューロ・ロジカル・レベル」 の3つのフレームを活用する。オススメ関連記事チャンク思考法で複雑な問題をシンプルに解決するリフレーミングとは?"意味がない"ポジティブシンキングとの違いもわかりやすく解説