ドーパミンは、私たちの脳を活性化し、幸福感やモチベーションを高める重要な役割を果たしています。ですが、このドーパミンが逆に私たちを不幸にすることもあるのです。この脳内化学物質がどのように私たちの感情や行動に影響を与えるのかを理解することで、より良い生活習慣を身につけることができます。本記事では、ドーパミンの働きと幸福の関係について解説し、脳を活性化するための具体的な方法を紹介します。仕事を頑張って収入を増やしても、もっと欲しいと思ってしまう整形をしてキレイになっても、満足できず整形を繰り返してしまうブランド物を買っても買っても飽き足らないSNSでいいねやシェアしてもらいたくて、何度も投稿してしまう目標を達成した時には幸せな気持ちになりますが、その幸福感は長続きしませんよね。逆に、「もっと~したい」「もっと~になりたい」という気持ちが生まれ、新たな目標を達成するまではむしろ不幸を感じながら生きることになるのです。この「もっと、もっと」という状態を生み出す原因が、ドーパミンです。ドーパミンについて理解することが、幸せと不幸せの輪廻から抜けだす鍵となります。ドーパミンとは?ドーパミンとは、3大幸せホルモンのひとつで人間の幸福には欠かせない脳内の神経伝達物質です。このドーパミンが脳内で放出されることによって、私たちは幸福感を覚えます。私たちが何かに期待したり、報酬を得ることで分泌されるホルモンで、目標達成、自己成長、モチベーションアップなどに欠かせない存在です。ドーパミンは興奮と快楽のホルモンドーパミンによる幸福は、興奮や快楽といった種類のものです。とても刺激的で多幸感をもたらしますが、短期的な幸福で長続きしません。お金成功承認欲求物欲(買い物)食欲お酒ギャンブルなどが、ドーパミンから得られる幸福感です。ドーパミンは依存症の原因ドーパミンには、目標の達成自己の成長新しいチャレンジ仕事の成果を上げるなどに欠かせない重要な役割を持っていますが、反面、依存性を持っており、お菓子依存アルコール依存SNS依存ギャンブル依存買い物依存スマホゲーム依存などの依存症を引き起こす要因にもなります。「もっと、もっと」という状態を生み出す性質が、望ましくない結果も引き起こすのです。あわせて読みたいマズローの欲求5段階説で正しい承認欲求を満たす方法ドーパミンで不幸になる2つの理由SNSで手軽に人とつながれたり、インターネットで手軽にモノが買えるようになった現代では、ドーパミンによる幸福も手軽に得られるようになりました。そして、それは興奮や快楽といったとても刺激的な幸福感なので、多くの方がドーパミン的幸福ばかりを求めるようになっています。しかし、簡単に得られるからこそ、危険も隣り合わせなのです。快楽と苦痛がセット快楽と苦痛は、脳の同じ部分で処理されることがわかっています。それはまるでシーソーのような関係になっています。脳内にあるシーソーが片側に早く大きく傾くほど強い快楽を感じます。しかし、快楽の側に傾いた反動として、苦痛の側にも同じ分だけシーソーが傾くのです。つまり、ドーパミンで得た幸せな気持ちの分だけ、不幸せな気持ちが後からやってくるというわけです。刺激に対する耐性SNSのいいねが欲しくて連続で投稿してしまう、2枚目のポテトチップスに手を伸ばしてしまうなど、私たちは喜びの感覚をもう一度欲しようとしたり、"いい気持ち"を持続させようとするものです。しかし、似たような快楽刺激が繰り返されると、快楽の側へのシーソーの最初の傾きが弱く短くなる一方で、その後の苦痛の側への偏りは強く長くなってしまうのです。これにより、「もっと、もっと」と強い刺激を求めるようになってしまいます。末路は無快感症快楽へ傾きが弱くなったシーソーに、さらに強い刺激を持続的に与えていると、いずれ快楽の側にまったくシーソーが傾かなくなってしまいます。そして、最終的には苦痛の側にシーソーが傾いたままになってしまい、何があっても喜びを感じられない「無快感症」の状態に陥ります。ドーパミンとの上手な付き合い方ドーパミンは、興奮や快楽といった幸せをもたらしてくれる反面、過剰摂取の危険や依存性があることを理解できれば、ドーパミンと上手に付き合っていくことも可能です。ドーパミン的幸福には限界があることを知る歳を取ると健康を気にする人が増えるのも、ドーパミン的幸福には限界があることを本能的に知っているからかもしれません。ある程度の年齢までは、勉強して、いい大学に入って、いい会社に就職して、自分のお金で欲しいものが買えて、住む部屋のランクがアップして…などドーパミン的幸福だけで幸せを積み重ねていくことは可能です。ですが、同じ幸福感を得るためにはより強い刺激が必要になりますから、どこかで必ず停滞や挫折が起こります。それなのに、これまでと同じようにドーパミン的幸福だけで幸せを得ようとするから、悩み苦しみが増え、心が満たされない人生を送ることになってしまうのです。お金はいくらでも稼ごうと思えば稼げると思えるかもしれません。見た目だって、もっともっと美しくできると思えるかもしれません。ですが、能力的な限界、年齢的な限界は必ず訪れます。まずは、ドーパミン的幸福がいかに刹那的でもろいものかを知っておくことが大切です。他の幸福を増やすドーパミンは、3大幸せホルモンのひとつに過ぎません。残り2つのセロトニン、オキシトシンから得られる幸せに目を向けましょう。これらから得られる幸せは、暖かい太陽の日差しを浴びる心地良さだったり、好きな人やペットと接した時の安らぎだったり、他人に親切にした時に感じる温かさといった幸福感です。こういった幸せの良いところは、毎回同じ刺激でも同じ幸福感が得られるということです。セロトニン的幸福とオキシトシン的幸福で基盤を作った上で、適度にドーパミン的幸福を得るというバランスが大切です。このバランスを保つことによって、常に安定した幸福感がありながら、刺激的な嬉しさ、喜びを楽しむという持続的が幸せなが手に入るのです。あわせて読みたいドーパミンドバドバ人生の末路|恋愛依存も防ぐ幸福ホルモンの使い方まとめドーパミンは興奮と快楽のホルモンドーパミンには依存性があるドーパミンはさらに強い刺激を求めるドーパミン的には限界がある3大幸せホルモンからバランス良く幸福を得ることが、持続的な幸せにつながるオススメ関連記事自己理解を深める|『やりたいこと』の見つけ方ガイド自己肯定感を高める簡単な方法3つ|上がらない原因と下げてくる人への対処法